ホーム>国語科指導法4(H19)
天理大学ウェブサイト:シラバス
集中講義で実施します。コンピュータを用いた国語科教育が、この講義の主題です。
今のところ、大まかに以下のような内容を考えています。詳細は順次掲載しますが、受講する皆さんにあわせて、当日適宜変更していきます。
日程が決まりました。7月23日(月)から3日間です。(5月14日)
レポートの課題を変更しました。(7月9日)
講義内容をマイナーチェンジしました。(7月20日)(7月22日)
初日の講義をが終わりました。今日の講義をふまえて、内容を更新しました。(7月23日)
1日目 7月23日(月) |
2日目 7月24日(火) ICTを使った学習の実際 マッピングとハイパー意味マップ |
3日目 7月25日(水) ICTを使った学習の実際 まとめとレポート作り |
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その他参考文献については、必要に応じて準備してください。
以下の図書は、講義の内容に関わる参考図書です。必要に応じて借りたり購入したりしてください。
1日目は、「なぜICTを使うのか、ICTを使う必要があるのか。」という、根本的な疑問について考えます。その際、まず、「読んでわかる」とはどういうことかを議論します。次に、国語科教育が抱える今日的テーマのひとつであるPISAの結果と「読解力」の定義について議論します。
そして、学習観や学力観の拡大・変化に伴ってどのような対応が求められるのかについて講義します。
以上の議論を踏まえて、ICTを使った国語科教育を概観し、マッピング理論を応用した国語科の可能性について考察します。
面白かった自己紹介はだれか、面白かった原因は何か考える 「一般化」と「コンピテンシー」
ICT(Information and Comunication Technology)
当時すでに、吉野菊子先生のグループなどの先駆的研究実践グループがあり、作文指導での成果あった。その他は、パッケージ型のソフトによる言語事項のドリル学習が行われる程度であった。一部の先駆的状況に反して、コンピュータを利用した国語科教育にたいする一般的な見解は、「保守的」という言葉では済まされないような偏見に満ちたものだった。いわく「国語に機械なんて必要ない。」「国語に機械は合わない。」「漢文・古文に対する冒涜だ。」「ワープロを使うなんて横着だ。」「ワープロを使うと文字を忘れる。」(ワープロは忘却マシンではないのでものを忘れたりするわけがない。忘れるという問題は別のところにある。自動車を使うと足が衰えるからといって、毎日歩いて通勤することをすべての人に勧めることは現実的か?)「もろ手を挙げては賛成できない。」(たぶんだれも「もろ手を挙げて賛成しろ」などとは言っていない)など。
機器を利用するかしないかにかかわらず、ある学習方法には、当然のことながらメリットとデメリットがある。「ワープロを使うと文字を忘れる」ということをかなり好意的に解釈して、「ワープロでは漢字の『書き』を同時に学ぶことができない。」ということだとすると、ワープロを利用することのデメリットのひとつを指摘しているといえるのかもしれない。しかし、それもこのような無理やりな解釈を行った末であり、先に紹介したおのおのの反応は、なぜ機械が必要ないのか、何が合うもので何が合わないものかなどという問いに答えることはなく、どのように好意的に受け止めても建設的な反駁とは言えず、国語科教育にとっては不毛な発言であった。
コンピュータを利用した国語科教育の研究実践を、国語科教育における提案のひとつとして真摯に論じることは、一部の卓見を除いてはなく、無知と偏見による感情的な拒否反応が趨勢を占めた。2000年代までのこのような状況が、わが国の国語科教育(ICTの活用によって大きく進展する可能性を持つ)をある意味では遅れさせ、また、国際的な潮流(「読解」概念の比較参照)に乗り遅れてしまっている今日の状態の原因のひとつであることは否めない。
ICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)の機能的分類にあわせて、コンピュータを利用した国語科教育の実践状況をみると以下のようになる。
a.DTP系 はかねてより多くの実践がされてきている。
b.プレゼンテーション系 は、教科書に取り上げられるようになったこともあり、近年特に盛んに実践されている。
c.ネットワーク(インターネット)系およびd.ネットワーク(コラボレーション)系は、官民こぞって推進しようとしている分野であり、先進校、先進的実践者といわれる人々によってさかんに進められている。
これらの実践の多くは、その派手なパフォーマンスに比して国語学習としての深みに欠けることが多い。それは至極当然の結果であって、学習活動が「利用系」に立脚しているからである。つまり、児童・生徒の言語的実態から教育活動が立案されるのではなく、テクノロジーの実態から教育活動が立案されているのである。統計的にそのことを見てみると、ICTの利用系にはa~dにくまなく実践が行われているのに反して、言語活動系からみるとその実践は量的・質的に大きな差がある。
新しい機能や機器が生まれると、必ずそれを使った実践が企業や行政から求められ、推進者が機能や機器のための実践事例を作っていく。推進的立場にいる人々が、ICT産業的文脈で教育活動を牽引してしまった結果としてこのような状況になっているのではないか。残念ながら、まず機能あり、機器ありという「先駆的」実践を見ることは大変多い。
質、量ともに「書くこと」を単元で用いるものが多い。
利用系から考えるとCAIからIT、ICTへ、スタンド・アローンからコラボレーションへという大きな変化がある。しかし、言語活動の観点からは、CAIの時代から本質的な変化はない。その原因は、児童・生徒の実態、学習者の現実から養成されるべき教科教育が、テクノロジーの現実を学習に当てはめようとしているところにある。
すべての領域への拡大
読解手法へのシフト
評価法としての自覚
Reading Literacyを養う効果的な方法としての自覚-フィンランドの国語科教育
意味マップ活用を支える状況の変化
Compitencyと学力
Lifelong learningと学力
教育工学的アプローチ
認知科学の応用
西フロリダ大学の認知研究所(Institute for Human and Machine Cognition)が開発したマッピングソフトCmapToolsを使って、シーケンシャルなテクストをネットワーク化していくということを実習します。「脳の働きを目で見てみよう(東京書籍 新しい国語1)」をハイパー意味マップ化する作業を行った後、どういうことが分かるのかを考察します。
「html」を使った教材作りがレポートの課題となっていますので、早い段階でhtml入門を果たそうと思います。
講義の進み具合や学生の皆さんの状況に応じて、この項目は行わない場合もあります。
b-1 事前準備
b-2 記述
「動詞ハンター」の解説に述べているように、言語感覚を養う文法学習について考えます。
平成19年度のレポートは以下のように決めました。(7月9日変更しました。)(7月23日さらに変更しました。)
Cmap Toolsを使ってテクストの読解を行い(マップをつくり)、その過程や結果について、二日間の講義で得た考察や分析のツールを効果的に使って考察する。
動詞ハンターVer.2を作成する。