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お薦めの本やDVDです。FaceBookをやっている時に、教え子の大学生や社会人からお薦めの本を紹介してほしいという要望があって、書評つきでやっていました。ここでは、まだ書評は十分にはつけていませんが、何冊か紹介します。
中学生・高校生・大学生・社会人の教え子たち、もう中学生以上の子供を持つ教え子たち、教員を目指す人、若い教師たち、管理職を目指す人などの参考になればうれしいです。
フィリピンのスモーキーマウンテン(ゴミ廃棄場)で暮らす「スカベンジャー」(ゴミ拾いで生計を立てる人たち)の子ども達のドキュメントです。世界にはこういう子ども達の暮らしがあるということを、世界第2位の経済大国である日本の若者に知ってほしいと思います。
1994年、アフリカのルワンダでフツ族によるツチ族の大虐殺という衝撃的な出来事がありました。100日で100万人が殺されたと言われる事件のさなかで、一人のフツ族ホテルマンが、ツチ族の難民達を虐殺から守るという、実際に起きた出来事をモチーフとする映画です。たくさんの言葉を費やして戦争の悲惨さや差別の恐ろしさを言うことも大切ですが、こういう映画を見せることで生徒達に伝えられることは大きいと思います。※一部残虐な場面がありますので、小学生、中学校2年生以下に見せる場合には注意が必要かと思います。
1980年代、エルサルバドルであった内戦の様子を少年チャドの生活を通して描く作品です。これも実話をもとにつくられた映画です。
世界を知るために、チョムスキーは必見だと思います。
チョムスキーは教育に関する本も出しています。「民主主義は民主主義の中でしか教えられない」という名言は、「人権は人権が守られた中でしか教えられない」とか、逆に「いじめはいじめの中で教えられる」などと言い換えられると思います。何事もズバリと本質を見極めて論ずるチョムスキーの教育論は、教育関係者必読の書だと思います。
師匠、田中瑩一先生のご著書です。私の国語科教育の原点にしてバイブルです。
センゲの著作中最もお薦めの本です。学校という組織の在り方について大変示唆に富んだ提案、教示がある本です。
言わずと知れた「ドラッカー」です。「原典に当たれ」とは、恩師稲田誠一先生に教わったことです。マネージメントをかじろうと思えば、まずドラッカーの「マネジメント」を読んでから。
マネジメント、経営関係の書籍はものすごくたくさんあって、玉石混交ですね。その中で、面白かった本です。
数行前に「まずドラッカーを読んでから」などど偉ぶっていましたが、実は、私が最初に読んだのは「通勤大学シリーズ」でした。入門書で概要をつかんでから専門書にあたるというのは、私の読書パターンの一つです。
上野千鶴子先生には、毎回強い知的な刺激をいただいています。フェミニストとして有名な方ですから、そちら方面の著作がつとに有名で、ベストセラーにもなっていると思います。しかし、私は、構築主義とかアイデンティティという大きなテーマについての研究実績にとても素晴らしいものがあると思っています。構築主義について学際的な整理をされた本として一番に「構築主義とは何か」をお薦めします。また、「アイデンティティ」の正体を白日に曝した痛快な書として「脱アイデンティティ」をお薦めします。大学生必読の書です。
最近やっと有名になってきた「アドラー心理学」です。これまで「フロイト心理学」に、それと知らず社会が影響を受けてきたと思いますが、このところ脱フロイト、親アドラーという流れがあるようで、これはこれでまた恐ろしいことのようにも思います。
ともあれ、フロイトと同じ時代に、立場を異にした心理学があって、マニアックな人たちに愛されてきたわけです。特に、経営やスポーツの一流どころにシンパが多かったアドラーの心理学は、生きるのに役立つ心理学だと思います。
仏教徒と自認する宮崎哲弥さんがテレビ朝日の番組で、対談されたことから「南直哉」さんを知りました。対談の中では、下の「文学」のところにある「老子と少年」を紹介しておられましたので、私はまずそちらから読みました。
「仏教は心理学・仏教は科学」と力説されるスリランカ人のアルボムッレ・スマナサーラ長老の著作です。仏教を学ぶなら、まず「初期仏教(テーラワーダ)」を学ぶべきだと思いますが、なかでも、スマナサーラ長老の著作は読みやすいのでお薦めです。スマナサーラ長老は、「わからないものを書いても意味がない」ということをよくおっしゃっている通り、基本的に仏教を知らなくてもわかるように書いてあります。長老の著作には、仕事に悩まないための本から悟りを開くための本、専門的な仏教の教えに関する本までたくさんありますが、まず一冊選ぶなら「無常の見方」だと私は思います。
脱サラして仏門に入り、現在は青森県恐山菩提寺院代である南直哉(じきさい)さんの著書です。少年が老師に問いかける形式をとりながら、仏教の深淵に触れていくという作品です。
文学作品としても面白いし、仏教書としても面白いです。
名著として知られたフランクルの「夜と霧」です。ホロコーストを生き延びた精神科医・心理学者ヴィクトール・フランクルが、強制収容所での出来事や囚人たちの生きざまを克明に記しています。書中の「いい人から死んでいった」という言葉は衝撃でした。希望や絶望、そして「生きる」ということを考えさせられる、やはり名著だと思います。
恩師、太田登博士の著作です。「日本近代短歌史の構築」は、まさに日本の近代短歌史そのものを、表面から深淵に至るまでとらえた傑作の書だと思います。近現代の韻文を専攻する学生必読の書であるばかりでなく、教養の書としてもお薦めできる日本の名著の一つだと思います。