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ホーム国語科指導法4(H21)ハイパー小説>赤ずきんちゃん


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「赤ずきんちゃん、こんちは。」と、おおかみはいいました。

「ありがとう、おおかみちゃん。」

「たいそうはやくから、どちらへ。」

「おばあちゃんのところへいくのよ。」

「前かけの下にもってるものは、なあに。」

「お菓子に、ぶどう酒。おばあさん、ご病気でよわっているでしょう。それでおみまいにもってってあげようとおもって、きのう、おうちで焼いたの。これでおばあさん、しっかりなさるわ。」

「おばあさんのおうちはどこさ、赤ずきんちゃん。」

「これからまた、八、九町(ちょう)もあるいてね、森のおくのおくで、大きなかしの木が、三ぼん立っている下のおうちよ。おうちのまわりに、くるみの生垣(いけがき)があるから、すぐわかるわ。」  赤ずきんちゃんは、こうおしえました。

おおかみは、心の中でかんがえていました。 「わかい、やわらかそうな小むすめ、こいつはあぶらがのって、おいしそうだ。ばあさまよりは、ずっとあじがよかろう。ついでにりょうほういっしょに、ぱっくりやるくふうがかんじんだ。」

そこで、おおかみは、しばらくのあいだ、赤ずきんちゃんとならんであるきながら、道みちこう話しました。 「赤ずきんちゃん、まあ、そこらじゅうきれいに咲いている花をごらん。なんだって、ほうぼうながめてみないんだろうな。ほら、小鳥が、あんなにいい声で歌をうたっているのに、赤ずきんちゃん、なんだかまるできいていないようだなあ。学校へいくときのように、むやみと、せっせこ、せっせこと、あるいているんだなあ。そとは、森の中がこんなにあかるくてたのしいのに。」

そういわれて、赤ずきんちゃんは、あおむいてみました。すると、お日さまの光が、木と木の茂った中からもれて、これが、そこでもここでも、たのしそうにダンスしていて、どの木にもどの木にも、きれいな花がいっぱい咲いているのが、目にはいりました。そこで、

  1. 「あたし、おばあさまに、げんきでいきおいのいいお花をさがして、花たばをこしらえて、もってってあげよう。するとおばあさん、きっとおよろこびになるわ。まだ朝はやいから、だいじょうぶ、時間までに行かれるでしょう。」 と、こうおもって、ついと横道から、森の中へかけだしてはいって、森の中のいろいろの花をさがしました。
  2. ???

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