ICTを用いた国語科教育
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紹介する本は、現在、世界で最も重要な思想家といわれているチョムスキーの著作です。その偉大さゆえに、彼のことを最も貴重な「天然資源」という人がいるくらいです。

チョムスキーは、「生成文法」という画期的な文法理論を打ち立てた天才的言語学者です。本業は言語学者ですが、平和活動家、思想家としても同じくらい有名です。本来、チョムスキーは政治や国際関係のプロではありませんが、世界の多くの大学で、国際政治学部や国際関係学部の学生たちが学ぶ重要な人物のひとりとなっています。このように二つの面を持つチョムスキーですから、彼の著作は、言語学に関するものと平和や国際関係に関するものとの二つの系統があります。皆さんに読んでほしいのは平和・国際関係に関する著作のほうです。

ところが実は、チョムスキーの著作は、中学生には難しくてとても読めないと思います。ここに紹介する本の中で読めるとすれば、115ページ以降のインタビューのところでしょう。何人かの人たち(たぶん3年生)は、そこは読めると思います。中学生の皆さんに本の紹介をするコーナーで中学生には読めない本を紹介するなんて変ですよね。なぜ、皆さんには読めない本を紹介したのでしょう? それは、チョムスキーという思想家がいることを知ってもらい、その名前を脳裏に刻んでほしいからです。

皆さんが見ている世界、表面的な世界の後ろに見えない本当の世界があるということは授業でよく話しますね。そして、そういう世界の表裏を学ぶことを通して、物事の本質を見抜き、自分が生きる社会に対して何らかの行動を起こし、「社会をよりよく変えようとし続けること」の大切さ実感してほしいと願っています。表面の世界は、テレビを見ているだけの人にでもわかります。しかし、隠された本当の世界、本当の歴史は「見る心(意志)」・「見る目(センス)」・「見る技術(学習)」を持つ人にしか見えません。チョムスキーは、それを見事にわたしたちに教えてくれます。

難しい本が読めるようになったら、必ず読んでほしい人がチョムスキーです。皆さんがより正しい大人になるために必ず通過してほしい思想家なのです。

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