ICTを用いた国語科教育
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H27年度の問題意識

ICTを用いる学習のトレンドは、一昔前までは「デジタルカメラ」と「インターネット」でした。今は「書画カメラ」と「タブレット」になっているようです。先日、ある県の情報教育担当指導主事の方が、「書画カメラで拡大して見せるだけでICT教育になる。」と説明され、さもありなんと思いました。

それぞれの時代の「トレンド」を全否定するのは軽率だと思いますし、先の指導主事の方の説明も、それはそれで納得できました。しかしそれらの「トレンド」は、コンピュータを用いた学習が本来目指すべきところから大きく外れていて、本質の周りを徘徊しているような実践である、とも言えるのではないかと思います。

「アラン・ケイ」の提案から数十年が経ち、彼が描いた未来像は、ラップトップコンピュータやタブレットを使った学習として具現されつつあります。一方で、彼が憂慮したこと、機器を使うことが目的化してしまうことやバーチャルに終始してしまうことなども現代の問題として起こってしまっているようです。

また、私が、コンピュータを用いた学習を研究してから20年が経とうとしています。その中で、私が描いた「マルチメディア教科書」は、うれしいことに「デジタル教科書」となって誕生しました。私はアラン・ケイのように、情報技術の未来像を描くことなどはとうていできません。しかし、今の技術で実現可能なものとして、在宅学習者にも対応するネットワーク型の「マルチメディア教科書」と「教師による生徒支援・教師への教授支援」などを一体化した「ネットワーク学習環境」が、学習・教授に関わる全ての人にとって有効であると提案してきました。

様々なことがひとつひとつ実現されつつある中で、日本の教育分野ではいまだ十分に使える「コンテンツ」がありません。コンピュータは、どのようなメディアにもなり得るメタメディアであり、見えないものを見えるようにするバーチャルリアリティや先を予測するシミュレーションなどとしてその能力を具現化しています。そのようなコンピュータの力を、「思考」や「読解」や「表現」、「記憶」などという本来的に「見えない」ものを対象としている「学習・教授」に生かすことで、教育にコペルニクス的転回を与える可能性があるのではないでしょうか。そのための授業改善と「コンテンツ」の要求が、教師の側から始まり、開発者を牽引できると素晴らしいと思います。

コンピュータの持つ潜在能力が「思考支援」「表現支援」「コミュニケーション支援」「評価支援」などの「教育・学習支援」に発揮されれば、今私たちが行っている「授業」や「学習」は根底から覆されるかもしれません。しかし、その先には画期的な成果があるのではないかと、楽観的な期待をしつつ実践・研究を重ねていきたいと思います。

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