ICTを用いた国語科教育
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国際標準の「読解力」の育成に有効なハイパー意味マップ


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国語科指導法4(平成20年度)

天理大学ウェブサイト:シラバス

集中講義で実施します。コンピュータを用いた国語科教育が、この講義の主題です。
今のところ、大まかに以下のような内容を考えています。詳細は順次掲載しますが、受講する皆さんにあわせて、当日適宜変更していきます。
今年度は、logical writingについての実習を含めます。

更新日 2008年7月21日

開講日

 
開講日と開講時間
1日目 7月23日(水)
国語科教育とは何か
なぜICTを使うのか
logical writing@
2日目 7月24日(木)
ICTを使った学習の実際
マッピングとハイパー意味マップ
logical writingA
3日目 7月25日(金)
ICTを使った学習の実際
  まとめとレポート作り
logical writingB
  • 1限(9:00〜10:30)
  • 2限(10:45〜12:15)
  • 3限(13:00〜14:30)
  • 4限(14:45〜16:15)
  • 1限(9:00〜10:30)
  • 2限(10:45〜12:15)
  • 3限(13:00〜14:30)
  • 4限(14:45〜16:15)
  • 1限(9:00〜10:30)
  • 2限(10:45〜12:15)
  • 3限(13:00〜14:30)
  • 4限(14:45〜16:15)

教室


講義テキスト

その他参考文献については、必要に応じて準備してください。


参考文献

以下の図書は、講義の内容に関わる参考図書です。必要に応じて借りたり購入したりしてください。

1日目

 1日目は、「なぜICTを使うのか、ICTを使う必要があるのか。」という、根本的な疑問について考えます。その際、まず、「読んでわかる」とはどういうことかを議論します。次に、国語科教育が抱える今日的テーマのひとつであるPISAの結果と「読解力」の定義について議論します。 そして、学習観や学力観の拡大・変化に伴ってどのような教育的可能性が見えてくるのかということについて講義します。
 以上の議論を踏まえて、ICTを使った国語科教育史を概観し、マッピング理論を応用した国語科の可能性について考察します。
また、レポートを作成するに当たって必要な作文技術logical writingについて講義します。

国語科教育とは何か(1・2限)

  1. 教室開き

ICTを利用した国語科の授業を概観する

  1. ICTとは
  2. ICT(Information and Comunication Technology)

     
    1. 1990年代―CAI(Computer-Assisted Instruction,Computer-Aided Instruction)の時代
    2. 当時すでに、吉野菊子先生のグループなどの先駆的研究実践グループがあり、作文指導での成果あった。その他は、パッケージ型のソフトによる言語事項のドリル学習が行われる程度であった。一部の先駆的状況に反して、コンピュータを利用した国語科教育にたいする一般的な見解は、「保守的」という言葉では済まされないような偏見に満ちたものだった。いわく「国語に機械なんて必要ない。」「国語に機械は合わない。」「漢文・古文に対する冒涜だ。」「ワープロを使うなんて横着だ(または邪道だ)。」「ワープロを使うと文字を忘れる。」(ワープロは忘却マシンではないのでものを忘れたりするわけがない。忘れるという問題は別のところにある。自動車を使うと足が衰えるからといって、毎日歩いて通勤することをすべての人に勧めることは現実的か?)「もろ手を挙げては賛成できない。」(たぶんだれも「もろ手を挙げて賛成しろ」などとは言っていない)など。

      機器を利用するかしないかにかかわらず、ある学習方法には、当然のことながらメリットとデメリットがある。「ワープロを使うと文字を忘れる」ということをかなり好意的に解釈して、「ワープロでは漢字の『書き』を同時に学ぶことができない。」ということだとすると、ワープロを利用することのデメリットのひとつを指摘しているといえるのかもしれない。しかし、それもこのような無理やりな解釈を行った末であり、先に紹介したおのおのの反応は、なぜ機械が必要ないのか、何が合うもので何が合わないものかなどという問いに答えることはなく、どのように好意的に受け止めても建設的な反駁とは言えず、国語科教育の発展にとっては不毛な態度であった。

      コンピュータを利用した国語科教育の研究実践を、国語科教育における提案のひとつとして真摯に論じることは、一部の卓見を除いてはなく、無知と偏見による感情的な拒否反応が趨勢を占めた。2000年代までのこのような状況が、わが国の国語科教育(ICTの活用によって大きく進展する可能性を持つ)をある意味では遅れさせ、また、国際的な潮流(「読解」概念の比較参照)に乗り遅れてしまっている今日の状態の原因のひとつであることは否めない。

    3. 中学校学習指導要領の展開,河野庸介・金子守(明治図書)
    4. X−3 コンピュータを活用した授業例

    5. 現在(利用系からの区分)
    6. ICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)の機能的分類にあわせて、コンピュータを利用した国語科教育の実践状況をみると以下のようになる。
      a.DTP系 はかねてより多くの実践がされてきている。
      b.プレゼンテーション系 は、教科書に取り上げられるようになったこともあり、近年特に盛んに実践されている。
      c.ネットワーク(インターネット)系およびd.ネットワーク(コラボレーション)系は、官民こぞって推進しようとしている分野であり、先進校、先進的実践者といわれる人々によってさかんに進められている。

      これらの実践の多くは、その派手なパフォーマンスに比して国語学習としての深みに欠けることが多い。それは至極当然の結果であって、学習活動が「利用系」に立脚しているからである。つまり、児童・生徒の言語的実態から教育活動が立案されるのではなく、テクノロジーの実態から教育活動が立案されているのである。統計的にそのことを見てみると、ICTの利用系にはa〜dにくまなく実践が行われているのに反して、言語活動系からみるとその実践は量的・質的に大きな差がある。

      新しい機能や機器が生まれると、必ずそれを使った実践が企業や行政から求められ、推進者が機能や機器のための実践事例を作っていく。推進的立場にいる人々が、ICT産業的文脈で教育活動を牽引してしまった結果としてこのような状況になっているのではないか。残念ながら、まず機能あり、機器ありという「先駆的」実践を見ることは大変多い。

      1. DTP系(パンフレット・新聞作り)
      2. プレゼンテーション系(プレゼンテーションソフトを使った表現活動)
      3. ネットワーク(インターネット)系
        • 掲示板・チャットなどを利用したもの
        • 検索エンジンを使った調べ学習
        • メールを使った手紙文学習
      4. ネットワーク(コラボレーション)系
        • TV会議
        • コラボレーションソフト利用
        • >
      5. デジタルコンテンツ(パッケージ)系
    1. 現在(国語活動・「領域等」からの区分)
    2. 質、量ともに「書くこと」を単元で用いるものが多いが、「デジタル教科書(光村図書)」を活用した実践も多くなった。

      1. 話すこと・聞くこと
      2. 書くこと
      3. 読むこと
      4. 言語事項
    1. 現状のまとめ
    2. 利用系から考えるとCAIからIT、ICTへ、スタンド・アローンからコラボレーションへという大きな変化がある。しかし、言語活動の観点からは、CAIの時代から本質的な変化はない。その原因は、児童・生徒の実態、学習者の現実から養成されるべき教科教育が、テクノロジーの現実を学習に当てはめようとしているところにある。

学習観・学力観の拡大と変化を背景として(3・4限)

  1. 「読解」とは何か−C 「読むこと」を巡る今日的テーマ
    1.  読んでわかるとはどういうことか
    2. 文章を読んで「わかった人」は何がわかっているのか。考察しなさい。(グループ)

    3.  「読解(Reading)」とは何か−読解・読解力の概念規定から見えてくること
    4.   
  1. logical writing 演習@

2日目 ICTを使った学習の実際-マッピングとハイパー意味マップ

「読んで分かること」の認知科学的解釈から導かれる実践例−マッピングとハイパー意味マップ(1・2限)

  1. マッピング
    1. マッピングとは何か
    2. 「マッピング」の概念と手順
    3.  
    4. 「読むこと」に用いるマッピング
    5.  
      1. プレリーディング:先行知識の活性化のために―
      2. 例1
      3. 語彙的読み取り:読みの過程に用いる―
      4. 例2

    6. 意味マップ法の現在とこれから
    7. すべての領域への拡大

      読解手法へのシフト

      評価法としての自覚

      Reading Literacyを養う効果的な方法としての自覚-フィンランドの国語科教育

      意味マップ活用を支える状況の変化


コンピュータを使う必然性がある学習―ハイパー意味マップ(2限)

  1. ハイパー意味マップ
    1. ハイパー意味マップとは→具体例(Cmap Tools)
    2. パーソナル・コンピュータとは何か
    3. 読解とは何かを整理する
    4. なぜハイパー意味マップか
    5. ハイパー意味マップの実際
    6. ハイパー意味マップ理論のまとめ

Cmap ToolsをつかったConcept mapping(3限)

西フロリダ大学の認知研究所(Institute for Human and Machine Cognition)が開発したマッピングソフトCmapToolsを使って、Concept Mappingの作り方を実習します。

Cmap Toolsを使った読解実習(4限)

シーケンシャルなテクストをネットワーク化していくということを実習します。さまざまなジャンルの文章をハイパー意味マップ化する作業を行った後、読解についてどういうことがわかるのかを考察します。

  1. logical writing 演習A

3日目(最終日)

3日目は、午前中はマッピングについての補足と応用について講義し、CmapToolsを使った教材作成をします。
 また、 logical writing演習とレポートの作成についてガイダンスします。

時間的にゆとりがあれば、htmlを使った教材について講義し、演習をします。

(時間があれば)学習ウェブサイトとhtml (1限)

  1. 学習ウェブサイトとは※重要
  2. htmlとは何か−htmlでできること
  3. 「html」を使った教材作りがレポートの課題となっていますので、早い段階でhtml入門を果たそうと思います。

    講義の進み具合や学生の皆さんの状況に応じて、この項目は行わない場合もあります。

  4. htmlコード記述演習
    1. htmlファイルの作成
    2. スタイルシートの活用
    3. b-1 事前準備

      b-2 記述

(時間があれば)および学習WEBを使った学習の実際@ 言語事項(文法) (2限)

  1. 文法学習の行き詰まりと打開策
  2. 「動詞ハンター」の解説に述べているように、言語感覚を養う文法学習について考えます。


  3. 動詞ハンターVer.2
  4. 動詞ハンターVer.1

    動詞ハンターVer.2

    動詞ハンター表示画面

(時間があれば)学習WEBを使った学習の実際A「読むこと」の指導 (時間的余裕があれば)

  1. 古典学習のあり方を問う
    1. 古典で何を教えるか、何を学ぶべきか。
    2. 古典教材の衰退
    3. 教科書の古典教材
  2. 古典的な古典学習
    1. どんな授業を受けていたか
    2. どんな授業がよいと思うか
    3. 授業例
  3. Reading Literacyを養う古典学習とはどんな学習か

logical writing 演習B および レポート作成:Cmap Toolsを使った読解(ハイパー意味マップ法)についての考察 (3・4限)

レポート

平成19年度のレポートは以下のように決めました。(7月9日変更しました。)(7月23日さらに変更しました。)

テーマ

  1. 短歌の読解の類型―ハイパー意味マップを使った読解より―
  2. ハイパー意味マップを用いて短歌の読解を行う。できあがったマップを学生どうしで比較する。

  3. ハイパー意味マップを使った読みの実際と考察
  4. Cmap Toolsを使ってテキストの読解を行い(マップをつくり)、その過程や結果について、二日間の講義で得た考察や分析のツールを効果的に使って考察する。 

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